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コラム4 『直近の乳用雌牛頭数見通しの推移』

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  [酪総研コラム4ー2022年11月掲載] 直近の乳用雌牛頭数見通しの推移  Jミルクは、2022年9月30日付けで「2022年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通し」を公表した。Jミルクによる2022年度の見通しは、今回で4回目(1回目2022/1/28、2回目6/3、3回目7/29、4回目9/30)となり、生乳生産予測の基データとして掲載されている乳用雌牛頭数の見通しを比較してみた(表)。  1回目見通しと直近4回目の見通しを比較してみると、   (1)2歳未満の頭数は、全国±0.0%、北海道±0.0%、都府県0.7%、   (2)2歳以上の頭数は、全国▲1.3%、北海道▲1.4%、都府県▲0.8%、   (3)5歳以上の頭数は、全国▲2.2%、北海道▲2.7%、都府県▲1.5%、 となっている。  コロナによる需給バランスの乱れによって、乳製品過剰在庫解消が喫緊の課題となる中、現在、酪農現場では生乳生産抑制に取組んでおり、2歳以上や5歳以上の頭数予測において、成果が着実に現れてきつつある状況と考えられる。  一方、2歳未満の頭数予測については、1回目見通しから大きな増減はないが、2021年7月以降12カ月連続して前年を超えて推移してきた出生頭数実績が、直近2022年7月において北海道・都府県ともに前年を下回る結果となっている。  酪農現場では生乳生産基盤を毀損させることなく、工夫しながら取組みを進めているものの、育成牛資源を生み出す成牛頭数は明らかに減少していることに加え、コスト増高対策の手段として育成牛資源の更なる減少も危惧されるところであり、今後の推移に注視することが必要と考えられる。   注)2022年8月以降の全国における生産抑制の取組みについて、Jミルク需給見通しでは成果の推計や予測が困難な要素であり加味していないことに注意。