2018年度 酪総研シンポジウム 意見交換要旨
雪印メグミルク株式会社酪農総合研究所は2019年1月31日、酪総研シンポジウム「酪農現場の“カイゼン”を考えるⅢ -少額投資で生産性の向上を!-」を開催しました。 前回までその講演要旨を掲載してきましたが、今回は講演内容をもとにおこなった意見交換の要旨を掲載します。 第一講演要旨… 牛の行動を基に施設や飼養管理を見直す ~人も牛も幸せに~ 第二講演要旨… 酪農における光環境制御の効果とそのメカニズム 第三講演要旨… カイゼンの道しるべ「乳検データ」の活かし方を考える 【意見交換 壇上者】 第一演者…酪農学園大学 農食環境学群 家畜管理・行動学研究室 教 授 森田 茂 氏 第二演者…農研機構 畜産研究部門 畜産環境研究領域 飼育環境ユニット 上級研究員 粕谷 悦子 氏 第三演者…公益社団法人 北海道酪農検定検査協会 乳牛検定部 検定課 課 長 佐坂 俊弘 氏 座 長 …雪印メグミルク株式会社 酪農総合研究所 担当部長 佐々木 理順 課 長 野﨑 則彦 座長: それでは意見交換を始めます。 当シンポジウムは、一昨年から「酪農現場のカイゼンを考える」という大テーマのもと、生乳生産現場のロスを発見し、その対策を講じることで経営改善を図ることを目的として開催している。カイゼンシリーズ第3回目となる今回のテーマは『少額投資で生産性の向上を!』とした。 今日、本テーマに対し3題ご講演を頂いたが、一言で表せば乳牛の行動や生理を理解し、飼養環境を整え、適切なモニタリングと得られたデータの活用を高め、さらにそのデータ活用の面的拡大を図る、これが少額投資で生産性を上げる基本的手法の一つではないかと考えた。そのベクトルを我々が適切かつ明確に共有することが重要であり、これにより理論に裏打ちされた技術が現場での効率的な実践と波及につながるものと考える。 これらについてさらに理解を深め、皆様の今後の飼養管理・経営管理の向上への一助として頂くことを目的に、ご参加いただいた皆様との意見交換を進めたい。 限られた時間ではあるが、ご参加いただいた皆様のご闊達な質疑を宜しくお願いしたい。 まず三人の先生から講演内容を簡単にレビューして頂こうと思ったが、会場からかなり多くの質問票が寄せられたので、早速、質問への回答をお願いしたい。 《森田先生への質問》 質