コラム15 『芝と牧草、ゴルフ場で考えた -ゴルフボールをまっすぐに打つ方法-』

 [酪総研コラム15ー2024年4月掲載]


芝と牧草、ゴルフ場で考えた -ゴルフボールをまっすぐに打つ方法-


 ゴルフボールをまっすぐに打つためには、クラブのフェイスをボールにいかにまっすぐに当てるかだと考えている。そのためにまず大事なのはグリップの握り方ではないか。左手の親指をクラブに沿って平行、そして真上に、右手の親指もクラブに沿って左の親指の真上に持ってくる(もちろん右の親指は左よりクラブの先端寄り)。そうやってインターロッキングで構えると、左と右の親指は一直線になっていて、体に対して垂直になり、そこから振りかぶった後、クラブフェイスを降ろすのだが、ボールを打つ30cm手前から打った後10cmの間、一直線になった2本の親指を体に対して常に垂直に維持してやれば、フェイスがまっすぐボールに当たるはずなのである。これを冬の間練習してきたので今春良い結果を期待したい。 

 さて、本題に入ろう。昨シーズン夏以降のゴルフ場では、いわゆる“草が焼けている”所が多かった。2023年の北海道は、年平均気温が統計開始以来1位の高温であったこと、加えて降雨量が少なかった(と言うより、降るときは雨期かと思うほど降るのだが、降らない時は全然降らない)ので、その影響によって草が枯れてしまったのだ。北海道のゴルフ場では洋芝が使われていることが多く、フェアウェイやラフはケンタッキーブルーグラス(以下、ケンタッキー)、トールフェスク、メドウフェスク(以下、メドウ)等が多いと思われる。植生調査をした訳ではないが、ペレニアルライグラス(以下、ペレ)、レッドトップ、ブルームグラスなんかもありそうだ。これらのイネ科草種は、元々アメリカやヨーロッパを原産とする牧草であり、1950年代後半~1960年代前半頃には酪農家さんがさかんに使ったのではないか。酪農では1頭の乳牛からたくさん乳が出た方が収益は上がる。そのため乳牛のエサである牧草が肝心要であり、良い品質の牧草を、いかにたくさん収穫するかが重要となる。現在では北海道のイネ科の基幹牧草はチモシーとオーチャードグラス(以下、オーチャード)となっている。また、ペレは糖分が高く、チモシーやオーチャードに混ぜて使われており、メドウをうまく活用している酪農家さんもいるのだが、ケンタッキー(馬用としては別)やレッドトップは栄養価が低く量も取れないため、現在、乳牛の飼料としては推奨されずに雑草として防除の対象となっている。

 実は昨年の暑さの影響が牧草地にも及び、道央地域のチモシー草地は夏枯れが見られるとのこと。この暑さが続いて行くようなら、ゴルフ場では野芝、高麗、ティフトン、牧草地ではスーダングラス、パールミレット等暑さに強い品種に代えるしかないのかもしれない。牧草地ではチモシーをオーチャードに代える方が先であろうか。

 栄養価の高い牧草を確保するために、チモシーやオーチャードといったイネ科牧草に、タンパク質の含有量が高いマメ科牧草を混播するやり方が、牧草地を作る基本となっている。マメ科牧草として代表的なものにアルファルファ、白クローバー、赤クローバー等がある。以前道北のゴルフ場で、グリーン周りに白クローバーが群生していて、そこからアプローチを打ったら、まったく前に飛ばなかったことを思い出す。昨年、豊平川河畔のショートコースに行った時、白クローバーの多い所があったので、この時はしっかり打っておいた。

 さて冒頭で、ボールをまっすぐ打つ練習をしたので春から楽しみなんて書いているが、実は私の問題はショットよりパット。パットを1回で入れられる距離に寄せる確率を上げれば、平均スコア100切りに近づく(昨年は3パットの嵐、6パットもあり)。パット対策はパターを代えて(中古)、打ち方を変えて、この冬練習してきた。結果や如何に!?ちなみにグリーンの芝はベントか高麗である。ベントは芝目を読むのも難しいが、芝の維持管理もとても難しい。暑さにも強くないので、ベントグリーンが減っていかなければ良いのだけれど…

このブログの人気の投稿

コラム11 『代替乳製品は酪農を滅ぼすのか!?』

コラム10 『牛のげっぷ』

コラム9 『2022年の酪農経営環境を整理する』