コラム21 『生成AI?オヤジにも使えました』

 

[酪総研コラム21ー2025年5月掲載]

             『生成AI?オヤジにも使えました 

話題の“生成AI”に、ついにオヤジも手を出す

最近、生成AIが大きな注目を集めている。酪農に関わる仕事を長年してきたオヤジ世代の私も、ついにこの技術に手を出してみることにした。

ちょっと前までは「ITだ」「IoTだ」と言っていたのに、気がつけば「生成AI」の時代になっていた。技術の進歩は本当に早いと、改めて思う。

生成AIとは、機械学習アルゴリズムを用いてテキストや画像を自動生成する技術のことで、ChatGPT(※1)やMidjourney(※2)などが代表的な例だ。これらのツールは、情報収集や文章作成、創作などを効率的に行うために使われ、さまざまな分野で活用が広がっている。

 

使ってみてわかった!便利すぎるAIの力

社内で提供されている生成AIを実際に使ってみると、その便利さに驚かされた。とにかく、情報の引き出しが早い。質問すれば即答、関連情報もどんどん提案してくれる。

しかも、文章作成や資料作りの時間を大幅に短縮できる。研究のサポートやアイデア出しにも強く、日々の業務を効率よく進められるのは非常にありがたい。

 

でも、便利すぎるがゆえの落とし穴も…

ただし、生成AIには落とし穴もある。たとえば、生成された内容が必ずしも正しいとは限らない。情報の正確性や出典を確認する手間は、どうしても必要だ。また、あまり頼りすぎると自分の考える力や創造力が鈍ってしまう危険性もある。

「使いこなす」意識を持って付き合わないと、便利さに呑まれてしまうこともあり得る。

 

人の仕事がAIに奪われる? その前に考えたいこと

生成AIの進化により、人間の仕事が機械に置き換えられるのではないかという不安の声もある。確かに、単純作業や一部の創造的な仕事は影響を受けやすい。また、プライバシーやセキュリティといった課題も指摘されており、安心して利用するためには法律や倫理面での整備が不可欠だ。

 

AIが生み出した酪農賛歌”――歌詞はお見せできませんが、その実力は本物です

AIで歌なんて作れるの?」と半信半疑だったが、試しに使ってみると、驚くほどそれらしい歌詞が仕上がった。
残念ながら諸事情によりここに歌詞を掲載することはできないが、AIとのやり取りを重ねる中で、私のイメージや具体的な希望――たとえば「○○が歌っていた○○のような曲調で」とか、「もう少し情感を込めて」「このフレーズを入れてほしい」といった要望を伝えていくと、数回のやり取りで完成度の高い作品が出来上がり、自分でも感動してしまった。

演歌調の真面目なバージョンに加えて、親しみやすさを意識した子ども向けの童謡風にも挑戦。こちらでは「子どもが牧草地を歌いながら飛び跳ねるような感じで」とリクエストすると、それに応じた楽しい歌詞が返ってきた。

まさか自分が、AIと一緒に歌詞を作る日が来るとは思ってもみなかった。しかも、簡単なメロディまで提案してくれるのだから驚きだ。さらに突き詰めれば、あの有名なボーカロイドに歌わせることも可能になるだろう。まさに、創作のハードルを大きく下げてくれる時代になったのだと実感している。

 

生成AIの力を酪農の現場に活かすために

私自身、酪農の調査研究に生成AIを活用し始めてから、仕事の効率化と新たな発見の両方を実感している。

アナログでメカには強くない私でも、「ちょっと触ってみる」だけで、十分な成果が得られるということがわかった。

生成AIは、使い方次第で味方にも敵にもなる。だからこそ、「便利すぎて怖い」と敬遠するのではなく、まずは試してみることが大事だと思う。

そして何より、これからは酪農の未来のために、この技術をどう活かすかを考えていきたい。

 

※1ChatGPT・・・OpenAI OpCo, LLCの登録商標。

※2Midjourney・・・Midjourney, Inc.の登録商標。

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