コラム28 『酪総研の50年を振り返る』

 

[酪総研コラム28ー2026年1月掲載]

                『酪総研の50年を振り返る

酪農乳業関係者の皆様、あけましておめでとうございます。

日頃より酪農総合研究所(以下、酪総研)の業務に特段のご理解、ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。2026年の年頭にあたりまして、酪総研の50年を振り返り、一言ご挨拶申し上げます。

 

酪総研は、19763月に雪印乳業株式会社の創業50周年を記念し、我が国酪農の発展に寄与するために設立されました。当初は、中立性を堅持した調査研究のため株式会社として設立され、その後、雪印乳業株式会社の組織再編に伴い、社内研究所として再スタートしております。このような変遷を経ながらも、この度、創立50周年を迎えることができました。改めまして、酪農乳業関係者の皆様のご支援、ご協力の賜物と厚く御礼申し上げます。

 

歴代の所長をご紹介しますと、初代所長は元帯広畜産大学学長・大原久友先生、二代目所長は元北海道大学名誉教授・崎浦誠治先生、三代目所長は元北海道大学名誉教授・天間征先生、四代目所長は元帯広畜産大学学長・久保嘉治先生、五代目所長は元岩手県立大学教授・土井時久先生でした。このように、五代目所長までは農業分野の学術研究でご活躍され、また多くのご功績を残された先生方を、外部から招聘していました。そのため、酪総研の業務は大学での学術研究をベースとした調査研究を展開し、また酪農乳業界に対しても積極的に提言・助言するなどジャーナリスティックな側面も備えていました。

 

その後、社内研究所となった酪総研は組織がスリム化され、所長も社内から任命するようになりました。これを契機に酪総研の業務も大きく見直さなければなりませんでした。酪農情勢や世界経済の動向を鑑み、またグループ会社である雪印種苗株式会社との連携強化を進めるなかで、酪総研は酪農現場に特化した調査研究へとシフトしていったのです。

 

こうして酪総研50年の歴史を顧みると、株式会社時代の学術的な調査研究が中心の時代と、酪農現場に特化した実証的な調査研究に取り組むようになった社内研究所時代の大きく二つに分類できます。また、株式会社時代の酪総研標語「酪農の未来を拓くお手伝い」と、社内研究所となってからの「酪農生産への貢献」という共通の認識のもとで調査研究を進めてきたことは確かです。それぞれ研究方針に違いはありますが、両者に優劣を付けられるものではなく、それぞれが与えられた環境で最善を尽くし、業務を遂行してきました。

 

これからも酪農乳業界は幾度となく大きな変化を強いられることでしょう。どのような変化が求められても、酪総研は「持続的な酪農生産への貢献」という姿勢を貫き、今まで培ってきた功績を糧に、更にその存在感を高めていくのが責務であると考えますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

(コラム執筆:津田智亮)

 

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